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【映画評】告白

2010年06月15日 00:01

2009年度のミステリー界を席巻した、湊かなえの小説が原作。

女性教師(松たか子)の娘が、生徒の何者かに殺された……!?

この掴みだけで映画観に行くと、面喰うハメになるだろう。
なぜなら冒頭は舞台劇のように、教壇に立つ教師役の松たか子の長台詞を永遠と聞かされるからだ。

法廷ドラマのクライマックスで、検事が延々状況を語るシーンのようだ。

それが冒頭に来ている。

しかしながら、教師の話しを聞いていない生徒たちの喧騒が、ノイズとなって不協和音を奏でる。

一方、教師はまるで喧騒が聞こえないかのように、振舞っている。

見ているだけで何かが起こるのではといった緊張感が醸し出され、
ついに衝撃の告白が……。


ただ本映画について、
ミステリーとしては大きな穴がある。

教師の娘が殺された過去……しかし、過去でもかなり大事件だっただろうし、
しかも亡くなった場所が学校のプールであるので、
冒頭の喧騒にまみれた生徒たちこそ、面白半分でも犯人探しに躍起になるだろう。

映画では、生徒たちが押しなべて「命」に無関心とは描かれておらず、
逆に、生きているからこそ、極端なイジメに走り、ウイルスに人一倍恐怖し、
注目を浴びようと「事件」を起こす。

そんな生徒たちが、犯人探しもしなかったのか?
……という点が最後まで引っ掛かったままだ。
事件の発端なので、ここはきちんと描いて欲しかった。

まあだからと言って、冒頭から「犯人はアイツだ」とミスリードさせて、
クライマックでどんでん返しというのも止めてもらいたいが。


しなしながら驚きなのは、ミステリーとして、穴は有りつつも、
映画としてのパワーは少しも落ちてはいない点だ。

以前、今回の映画と似た映画……つまり、様々な視点で、
ドキュメンタリータッチで語る映画、『理由』があった。

近年の大林監督映画として評価されたが、
大林の『理由』では役者がコマの一つとして動かさられるのに対し、
『告白』は役者が実に生きている。

教師役である松たか子も、本音はどこか隠しているような演技をし、
チラリと垣間見える人間性、また逆の悪魔的な邪悪性に、目が覚める思いがする。

京極夏彦が直木賞を取った『巷説百物語』シリーズにも似た緻密な復讐譚は、
時代性、メッセージ性共に、この2010年の中でずば抜けた存在を見せている。


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(2010/04/08)
湊 かなえ

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