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【映画評】悪人

2010年10月18日 00:47

ブッキーがやや頑張り過ぎな演技だけど、
役者はみんな良いね~。
松尾スズキなんか、こんな詐欺師ホントにいるよ、
と言う感じだったし。

久石譲の音楽も「過剰」さはなく、良いアクセントとなって、
映画を支えております。

でも、演出(部分的にシナリオ)は、やや「過剰」なところも見受けられました。

クライマックス近くで、柄本明が殺された娘のために、
ある行動をし、説教をするシーンがある。
でも、ここで説教はいらなかったのでは。
行動と結末だけで、シーンのテーマが分かりますし。。。

あと極めつけは、イカ!!!
主人公の大切な「真相」を語るシーンの導入が、
イカの目から入るというシュールなもの。

演出の意図としては無機質なものから、
エモーショナルな回想シーンへGO!という感じなのだろうけど、
シリアスで重要なシーンなのに、苦笑してしまった。

また、演出が「過剰」なわりには、
切っ掛けとして、肝心の主人公2人が、
どこにひかれ合ったのか、
ちょっと判らなかった。
寂しかったとは理由にならない。
では、逆に寂しかったら、誰でも良いの?という話しにもなるし、
彼らは非常に「人間」らしいのだから、
その点を明瞭に掘り下げて欲しかった気も。

映画『悪人』は一緒に逃亡生活し始めたら、
互いの良いところが見えてくる流れになってるけど、
一回、寝ただけ……それもたいした意思疎通もないので、
人生を掛けた2人の逃亡劇の行動原理としては、少々弱く感じられました。


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【映画評】十三人の刺客

2010年10月09日 08:55

十三人の刺客


工藤栄一監督のオリジナル版は未見。

まあ、オリジナル版を観ていないからといって、
今回の映画が楽しめないわけでもない。

まず良い意味でビビったのは、松平斉韶を演じた稲垣ゴローちゃん。
何でこんな鬼畜キャラを演じている!?

女子供を平気で犯す、殺す、弄ぶ。

生きることに飽きてしまった、徹底的に虚無的な存在。
自分が将軍の弟であるので、誰も楯突く人間はいない。

ゴローちゃんは瞬きをしない演技しているので、モンスター的な存在感はバリバリ。

怪演だ。

よくジャニーズ事務所は許したね。
しかもクライマックスでは、表情も判らなぬほど顔中泥だらけになってしまい、
アイドル……いや普通の俳優だって、顔の芝居ができなくなるという点でも嫌がるでしょ。

ゴローちゃんはジャニーズとかではなく、俳優として一段ステップ上がりましたね。

対して、鬼畜・ゴローちゃんに対するは、
真面目、誠実、忠実を絵に描いたような、島田新左衛門(役所広司)です。

このコントラストが真逆なので、それだけ対立し、ドラマも盛り上がる。
刺客チームの面々も、演技が達者な役者が揃っているから、見ていて安心感があります。
ちょっと前にあった、タケシの映画『アウトレイジ』のような感覚を覚えました。

後半部にある13人VS300人という、チャンバラアクションも色んなカラクリがあって、
単なる体力勝負ではない仕掛けにもニヤリとしました。

全体的にはかなり面白かったです。

でも細部には、多少気になる点が。

なんて言うんだろ……三池映画を見ていて、いつも唐突に下品なギャグが入るのだが、
今回もポツポツ入っていて、しかも極めつけはラストで死んでいたと思ったヤツが、
何事もなく復活してしまうのは、ギャグとしても滑った感じ。
クビに刀が刺さって、なぜ死なないの!?

こういった部分は、おちゃらけないで最後まできっちりとしたドラマを見せて欲しかった。
でないと、他の死んでいった仲間も浮かばれないので。

あと、「原爆投下の100年前の話である」といったテロップが入るのだが、
これって、何の効果があるの?
この映画は現在と地続きなんだよといった意味なら、映画の中のドラマで見せてくれれば良いし、
現にこの映画は充分、現代的な映画であるとも思う。

制作者側のサービスが、過剰なサービスとなってしまっている印象を受けました。

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【映画評】BECK

2010年09月25日 11:38


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「シナリオは原作のためではなく、映画のために書かれるものです」

最近「出版妨害禁止等請求事件」において裁判を起こした、
名脚本家・荒井晴彦さんの陳述書にある言葉です。

確かにその通り。

原作は当然リスペクトしますが、
映画と小説だと「文脈」が違うのだから、
一緒のものになるはずはありません。

映画館で『BECK』を観ている最中、
荒井さんの言葉が終始自分の頭の中にまとわりついていました。

それもそのはず。

この作品の一番のキモは、主人公・コユキの歌です。
原作でも、コユキの歌が切っ掛けとなって、
バンドがひとつになり、人が集まり、
次第に自分たちの未来が開けていく、
作品の「起点」としての役割でした。

しかし、この映画は、
コユキに歌を歌わせない。
良く判らないイメージ映像や、
観客のリアクションに逃げてしまっています。

ホラー映画でも、こんな恐い怪物が出てくるんだよ~!
という前段があったら、絶対に恐い怪物は出さなければならない。

でないと、作品そのものが意味がなくなるからだ。
ジェイソンが出ない『13日の金曜日』は、
ネタとしてはあっても良いけど、それは『13日の金曜日』足りえるか?

その意味で、映画『BECK』は、
ドラマの核=コユキの歌をあえて描かなかったことによって、
完全にナンセンスな映画になってしまっています。

要所、要所でコユキの歌のシーンに向かって、
ドラマが突っ走っていきます。
特に桐谷健太が演じる千葉の、凡人として悩みいながらも、
無理矢理にでも前向きで走る姿には心を打たれます。

しかし、そのドラマのクライマックスで、
コユキの歌が出てこなくて、しょぼ~ん。(´・ω・`)

盛り上げて、しょぼ~ん。(´・ω・`)

盛り上げて、しょぼ~ん。(´・ω・`)

盛り上げて、しょぼ~ん。(´・ω・`)

……この繰り返しで、すっかり出来の悪いコントのようになっています。

コユキの歌がよほどの音痴でない限り、
ドラマが盛り上がっているから、
ちゃんと感動できる歌に聞こえるはずなんだけどね。

そもそも、それこそが映像使ったドラマの力なんだし。

この映画を作っている人間は、
映像の力を信じていないのかと思ったら、
聞けばコユキが歌わないのは、原作者の意向だという。

う~~~~~~ん。

ここで再度、荒井さんの陳述書にご登場願おう。

「これから脚色(原作付きの脚本)の仕事をする場合に、
まず目指すことが、いいシナリオを書くではなく、
原作者が気に入るシナリオを書くになってしまうことに絶望を感じました。
悪いシナリオからいい映画ができることは決してあり得ないが、
いいシナリオから悪い映画ができることはしばしばある、
とは私たち、脚本家の間ではよく言われていることです。
そのいいシナリオかどうかが原作者の私意、
あるいは恣意に委ねられてしまうというのでは、
シナリオの未来、映画の未来は絶望的だと言わざるを得ません」

シナリオを映画制作全体と置き換えることもできます。
今回の『BECK』の映画化は、それ自体が不幸だったのかもしれません。

最後に冒頭に戻って、荒井さんの陳述書の続き。

「シナリオは原作のためではなく、映画のために書かれるものです。
そこが分らない原作者は、映画化の申し入れを拒絶するべきだと思います」

【映画評】東京島

2010年08月31日 01:20


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桐野夏生のベストセラーが原作。

無人島にたどり着いた生存者の中で、女性はたった一人。
多数の男の中で、主人公・清子の過酷なサバイバルが始まる。
……というのが、この映画の掴みだ。

『LOST』や『キャスト・アウェイ』のような同じ無人島ものの傑作と比べても、
「無人島の中で唯一の女性」というのは、なかなか面白そうな設定ではある。

しかし、脚本が決定的に弱いので、
設定だけで終わってしまった映画のように感じた。

清子は最初から自分が、唯一の女性である利点をフルに活用する。
後のタイミングで島に流れ着いた屈強な中国人でさえも、
手玉に取ってしまうのである。

島で生き残り、島からの脱出を図る強い意思が感じられるが、
これは最後まで変わらなかった。

ドラマ=変化とすると、例えば清子は自分を犠牲にして、
皆を島から脱出させる等の変化が必要。

でないと、この一連の島の出来事が何の意味もなさなくなるからだ。

凄まじい体験をした。
でも、自分は変わりませんでした、
という厚顔無恥な人間を見ても感動はしない。

また、本来ならば、もっと緊迫感がある映画でにもできたのだろうけど、
意外とのんびりしていて、人が死んでも「あ~あ死んじゃったね」といった雰囲気で、
犯人探しもされないのだ。

普通、映画の中のドラマとしては、これだけでも「美味しい」事件なのになぁ。

諸々の面白くなる要素を活かせば、見違えるほどの映画になるだろうに。
ちょっと残念だ。トホホ。

【映画評】ヒーローショー

2010年07月06日 22:31

ヒーローショー


健全不良青春映画には定評のある井筒監督。

今回の映画でも、不良たちが生き生きと描かれていて、
知名度のない俳優たちでさえ、非常に魅力的な存在に映る。

これぞ井筒マジック!

ただ、「暴力の連鎖」というのがテーマらしいが、
うまく展開し切れてはいない。

各キャラクターのドラマが、どうも一面的で、
映画自体が間延びしたように感じるのだ。
(実際、上映時間は134分!)

凶暴な鬼丸をボコったが、
トドメを刺す前に逃げ出されてしまった。

いつ復讐に来るか判らない重苦しいバイオレンスの下、
ドラマは動いていく……わけではない。

なぜなら、各キャラクターのリアクションが一面的で、
みんなビビって何も出来なくなり、ドラマが進まないのだ。

自首する、攻撃的になる、裏切る……。
こんなリアクションを見せるヤツがいても良かったのではないだろうか。

そうすればこそ、「暴力の連鎖」のテーマも、
殴ったら殴り返すという単純な行為ではなく、
人間自体を根本から問い直すこともできたはずだ。

まあ、お笑いコンビ「ジャルジャル」含め、
役者は良かったんだけどね。。。

ちょっと残念。



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